あなたの周りは大丈夫?日常に潜む心理操作「ガスライティング」を見抜き、立ち向かう方法

こんにちは!アイカタ編集部のヨシオカです。
今回は恋愛においても問題視される「ガスライティング」に関する記事です。ガスライティングは2022年にはアメリカで「今年の流行語」に選ばれるなど注目を集めている言葉です。

あなたは自分の意見や感覚を否定され続けていると感じたことはありますか?

この問いかけに心当たりがある方は、無意識のうちに「ガスライティング」という心理操作の被害者になっているかもしれません。ガスライティングは、人間関係において深刻な問題を引き起こす行為であり、時には個人の精神健康にも大きな影響を与えます。本記事では、ガスライティングの特徴と兆候を見抜き、自己防衛する方法について解説します。

ガスライティングとは何か?

ガスライティングは、人を心理的に操作し、自分の感覚や記憶、現実感を疑わせるような行為です。この用語は、1944年の映画『ガス灯』に由来し、夫が妻の周りの現実を少しずつ歪め、彼女が自分の正気を疑うように仕向ける物語から来ています。ガスライティングは、被害者に自己疑念を抱かせ、加害者に対する依存を強めさせることを目的としています。

ガスライティングの特徴と兆候

ガスライティングの兆候には、以下のような特徴があります:

  • 被害者の記憶や感覚を否定する。
  • 矛盾した情報や嘘をついて混乱を招く。
  • 被害者の自尊心を低下させ、自己肯定感を削ぐ。
  • 被害者を孤立させ、助けを求められなくする

これらの行為は、しばしば微妙で徐々に行われるため、被害者は自身がガスライティングの対象になっていることに気づきにくいものです。

ガスライティングによる影響

ガスライティングは、被害者のメンタルヘルスに深刻な影響を及ぼすことがあります。自尊心の低下、不安やうつ病、さらにはPTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こすこともあります。また、被害者は自己決定能力を失い、社会的な関係性が損なわれる可能性もあります。

ガスライティングの影響は、被害者の精神健康に深刻な打撃を与えることがあります。以下に、具体的な影響の例を挙げます。

  • 自己疑念: 被害者は自分の記憶や感覚、判断力を疑うようになり、自己信頼を失います。
  • 精神的な健康問題: 長期的なストレスや不安、うつ病などの精神的な健康問題を発症することがあります。
  • 社会的孤立: 加害者による孤立化戦略の結果、被害者は支援システムや社会的な繋がりを失うことがあります。
  • 自己効力感の低下: 被害者は自分の能力や価値を低く見積もるようになり、日常生活や仕事でのパフォーマンスが低下することがあります。

これらの影響は、被害者の生活のあらゆる側面に波及し、回復には時間とサポートが必要となります。ガスライティングの被害に遭遇した場合、早期に適切な対処を行うことが、健康を取り戻すための第一歩です。

ガスライティングを見抜く方法

ガスライティングを見抜くためには、以下の点に注意を払うことが重要です:

  • 自分の感覚や記憶を信じる。
  • 関係性の中での言動のパターンを観察する。
  • 信頼できる人とのコミュニケーションを保つ。

ガスライティングの可能性を確認するためのチェックテストを用意しました。このテストは、自分自身や他人との関係性においてガスライティングの兆候があるかどうかを見極めるためのものです。各項目に対する「はい」の数をカウントして、その個数に応じてガスライティングの疑いの度合いを測ります。結果は、あくまでも自己診断の一助としてご利用ください。深刻な問題を感じる場合は、専門家に相談することをお勧めします。

ガスライティングかも?チェックテスト

  • 相手によって、自分の記憶や感覚が疑われることがよくありますか?
  • 相手はあなたの意見や感情を頻繁に無視または軽視しますか?
  • 相手は、あなたが状況を「正しく」理解していないと言いますか?
  • あなたはしばしば、自分が過剰反応していると感じさせられますか?
  • 相手はあなたのことを過保護または過干渉と言って、あなたの心配を否定しますか?
  • あなたは、相手といるとき自己価値が低下すると感じますか?
  • あなたの友人や家族は、その人との関係を心配していますか?
  • 相手はあなたに対して、言ったことを否定するか、言っていないことを言ったと主張しますか?
  • あなたは、自分が「狂っている」かもしれないと感じたことがありますか?
  • 相手はあなたの外見や行動を頻繁に批判しますか?
  • あなたは、相手から離れようとすると、相手が急に優しくなることがありますか?
  • あなたは、自分の感情や考えを表現することに対して不安を感じますか?

結果の確認

  • 「はい」の回答が8つ以上: ガスライティングの可能性が高いです。専門家の助けを求め、さらなるアドバイスやサポートを検討してください。
  • 「はい」の回答が4〜7つ: ガスライティングのいくつかの兆候が見られます。関係を再評価し、必要に応じて専門家に相談することをお勧めします。
  • 「はい」の回答が3つ以下: ガスライティングの兆候は少ないようですが、人間関係における他の問題が存在する可能性があります。自己ケアを続け、必要に応じてサポートを求めてください。

このチェックテストは、ガスライティングの可能性を自己評価するための一つのツールに過ぎません。深刻な問題や不安がある場合は、専門家に相談することが最も重要です。

ガスライティングから身を守る方法

ガスライティングの影響から身を守るためには、自己意識を高め、具体的な行動を取ることが重要です。以下に、自己防衛のための具体的な方法をいくつか紹介します。

  1. 日記をつける: 自分の感情や、特定の人とのやりとりを記録することで、ガスライティングのパターンを客観的に把握しやすくなります。
  2. 信頼できる人と話す: 友人や家族、カウンセラーなど、信頼できる誰かと自分の経験を共有することで、現実の確認と精神的サポートを受けることができます。
  3. 境界線を設定する: 自分自身にとって不快または受け入れがたい行為に対しては、はっきりとした境界線を設定し、必要に応じて関係を見直し、距離を置く勇気を持つことが大切です。
  4. 情報を集める: ガスライティングについての情報を集め、理解を深めることで、自分が経験していることが何であるかを認識しやすくなります。
  5. 専門家の助けを求める: 心理的なサポートが必要な場合は、カウンセリングやセラピーを受けることも一つの選択肢です。プロのカウンセラーやセラピストは、ガスライティングの影響を克服するための具体的な戦略を提供してくれます。

ガスライティングとモラハラ(モラルハラスメント)との関連性

ガスライティングは、モラハラ(モラルハラスメント)の一形態とみなされることがあります。モラハラは、言葉の暴力や無視、侮辱など、精神的な苦痛を与える行為全般を指します。ガスライティングは、モラハラの中でも特に陰湿で、相手の現実感や自己認識を歪めることによって、被害者を精神的に支配しようとする行為です。両者は、相手を精神的に支配しようとする点で共通していますが、ガスライティングはより特定的な手法に焦点を当てています。

結論

ガスライティングは、誰にでも起こり得る問題です。この記事を通じて、ガスライティングの特徴と兆候を理解し、自己防衛のための手段を身につけることができれば幸いです。ガスライティングについて理解することは、自分を守るために役立つだけではなく、周囲の人々をガスライティングの苦しみから守ることにも繋がります。

最後にガスライティングに関するおすすめ書籍『ガスライティングという支配』をご紹介します。人に相談できないことも多いかと思うので、この記事を読んで自分はガスライティングを受けているかもしれないと感じた人は読んでみると良いかもしれません。ガスライティングの概要や解放への道筋についてヒントを得られるのではと思います。